プレス金型の基礎知識
プレス金型は、工業製品を大量生産のために採用する加工方法の一種「プレス加工」に必要なもの一つです。この金型によって同じものを安定して大量に製造するための原型としてメンテナンスを繰り返しながら大切に使われています。
金型の構造は凹凸のある上下で一組となる構造です。上下の金型に加工したい素材をセットして圧力をかけてプレスし製品(部品)を生み出すのです。
プレス金型の材質は?
この金型ですが、材料(製品)なる金属板に非常に強い圧力をかけるものなので、大きな圧力や衝撃を考えた「合金工具鋼」や耐熱性に優れ、摩耗に強いクロムやタングステンを配合された「高速度工具鋼」などがよく使用されています。
金型と構造について
この金型でプレスしてできたプレス加工部品ですが、家電やタイヤ・ゴム靴・アルミサッシといった人の生活に欠かせない生活用品などが、この金型技術によって生み出されています。
金型があることで大量に製作され、安定した数量の供給が可能になります。そのおかげで、さまざまな製品が手頃な値段で手に入れられるようになっているのです。
代表的なものはやはり自動車部品
私たちの生活に身近な自動車は、驚くほど多くの部品を組み合わせて作られていますが、自動車パーツは大量生産が必要で、自動車の安全性能にかかわるため品質も重視されます。
大量生産と品質を両立させる技術がプレス加工とその金型です。自動車パーツもプレス金型を使って多くの部品が製作されています。
ちなみに固いものを作るイメージのある金型ですが、ゴムやガラスにプラスティック製品を作る場合にも対応できるケースもあるなど加工方法としては万能選手型なのです。
プレス金型 種類
プレス金型には大まかにいって以下の3種類あります。製作する部品や掛かるコストを踏まえて最適なタイプを選べば効率の良い部品を必要な量だけ製作できます。
順送型(プログレッシブ型)
オートメーションで部品素材を送り込んで製品を作る方法で、工程のほぼすべてを自動化するのでより多くの製品が作れます。
プレス機に固定された金型に部品の素材を自動で送り製品を製作する仕組みです。
これは自動化としての技術力が必要とされるので必然的に金型も高くなりますが、人の手が入らない自動生産は製品生産数がたくさん必要な部品にとっては選びやす方式で、原材料にはコイル材を使用します。
単発型(タンデム型)
自動で部品の素材を送り込んで製品を作る順送型と違い、ひとつずつ手作業で素材をプレス機に固定された金型へセットして製造します。
設計する上で自由度があり、より高度な形状を作れる点がメリットです。コストを抑えて限られた分量の製品を作るケースの場合はに単発型を選ぶことが多くあり、原材料は切板を使用します。
試作金型(簡易金型)
その名前の通り試作や少量の生産をしたい場合に選択します。試作の段階では、本格的に本番と同じコストの掛かる金型は作れません。
その試作金型は、耐久性が落ちたり大量に生産する時には品質を保つことは難しいですが少量なら質をキープしながら製作が可能となるため、試作や少量の生産に向いています。
原材料は切板を使用します。
プレス金型の設計と製作
お客様の希望や要望を踏まえたプレス金型の設計図を作成するためには、CADの技術が多く使われ、展開図やレイアウトを図面から3次元へとすぐに移行することができます。
製品設計者と金型業者が製品の使用に関する情報を共有、認識しながら打ち合わせを重ね無駄やコストを省いたプレス金型を製作から仕上げまで行います。
金型加工には主に3つの方法があります。
切削加工
切削工具を使用して材料をカットする加工方法です。
研削加工
砥石を使用して削ります。金型の仕上げ時に綺麗に磨くために行われる加工方法です。
放電加工
電気で金属を溶かします。小さい形状は手作業で削ることが難しいので、放電により表面の一部を除去します。
まとめ
先ほど例に挙げた、自動車ほどの大量生産を予定していない方にとっては、わざわざ金型を作ったら高いのでは?と心配されるかもしれませんが、実はプレス金型は全体の生産量を考えながらコスト面含め効率良く製造できるようさまざまな種類があります。
プレス以外にも「鍛造」「鋳造」「板金」といった加工方法もあり、川田製作所では「そもそもの加工方法はなにが最適か?」なども含めご相談させていただき、お客様にとってよりよい製品をご提供できればと考えております。
ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください
川田製作所では、3,000種以上の加工経験を活かし、試作から量産まで幅広い対応を得意としたプレス加工メーカーです。
お客様が欲しい部品の形状・数量・ご予算・納期などをお聞かせいただき、お客様にとってよりよい加工方法を用いて製品をご提供できればと考えております。
小さなことでも、ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください。お待ちしております。