家電や乗り物などさまざまな工業製品には、金属部品やプラスチックの樹脂部品が使用されていますが、その部品パーツを作るときに必ず必要となるのが「金型」です。
金型を使うことで製品を大量に生産できるため、同一の金型で大量に部品を作れば作るほどコストをどんどん削減していくことができます。
ここでは金型の中でも精密プレス加工用の金型について紹介します。
「精密プレス加工」と「プレス加工」の違いは?
結論から言ってしまうと「精密プレス加工」と「プレス加工」に明確な違いはありません。
金型で製品を加工するプレス加工のうち、より精密な加工方法を精密プレス加工と呼んでいますが、精密プレス加工はその名の通り、より難易度の高い製品を作ることが特徴で、一般的なプレス加工の金型よりも高精度な金型を使用します。
つまり「精密プレス加工」と「プレス加工」には厳密な違いはありませんが、精度の高い製品を生産したい場合は、おのずと精密プレス加工に適した精密な金型が必要となります。
精密プレス加工に用いる金型の特徴
精密プレス加工は、複雑な形状の製品や変わった形の製品によく用いられますが、先ほど述べた通り精密プレス加工品の製作には高精度なプレス金型が使用されます。
精度の高いプレス金型には、ミクロン台の緻密な加工が求められる事と、精密プレス加工の金型では耐久性も同時に求められるため高硬度材が使用されることもよくあります。
この高硬度材ですが、その種類も多いため生産する材料や形などに合わせて選び、その都度加工方法も見直す必要があります。
難易度が高い製品をつくる事ができる精密プレス加工の金型は、コストが高くなることも多く特殊な加工のため、技術力が高く実績も豊富な専門のプレス加工メーカーに依頼したほうがよいでしょう。
精密プレスを行うための金型加工方法やその種類についって
精密プレスの金型を作る加工方法には「ワイヤー放電加工」「マシニング加工」「研削加工」などがあります。
マシニング加工
ドリルなどの回転する切削工具でプレス金型を削る方法です。
放電加工
マシニング加工で加工できなかった硬い材料に、放電現象を利用して加工する方法です。
ワイヤー放電加工
黄銅ワイヤーを使い、液中放電という現象を利用し金属を溶かして加工する細穴加工に適した方法です。
研削加工
高速で回転する砥石で金型の表面を磨き、マシニング加工などの切削加工よりも平滑な面を作ることができる加工方法です。
倣い(ならい)研削加工
研削加工の一つで、型や模型・実物などにならって同じ形に研削する方法です。
精密プレス加工の精度はどれくらい?
精密プレス加工には精巧な金型が必要なことは前述しましたが、高精度なプレス金型を作るときは主に3D CADでの設計とCAE解析(流動解析・応力解析)を行います。
試し打ちで成形品の評価を繰り返し行い、加工精度を確認することで高品質な精密プレス加工品を製作することができます。
電子部品に用いられる金型
現代生活に欠かせないパソコン・タブレット・TV・家電製品、医療機器などに必要なプレス加工部品の需要は日々高まっており、おのずとそのプレス加工部品を作るための金型の必要も増してきています。
さらにスマートフォンなど最近の家電や通信機器の多くは小型化がさらに加速しており、製品が小型化することによって、その部品も小型化が求められ金型もより精度の高いものに需要が集まってきています。
精密樹脂の金型における特徴
プレス加工で使われる部品や金型は主に金属であることがほとんどですが、樹脂製金型もありその金型は表面が特殊樹脂で構成されています。
大きな特徴としては、金型の切削が比較的簡単に短期間で製作できることや、形の難易度で大きくコストが変わらないことが挙げられます。
またデータからの製作が基本のため、デザインの変更も簡単に対応できます。ただ樹脂は高温環境下での使用には向いていない場合もあるためその採用には注意が必要となってきます。
ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください
川田製作所では、3,000種以上の加工経験を活かし、試作から量産まで幅広い対応を得意としたプレス加工メーカーです。
お客様が欲しい部品の形状・数量・ご予算・納期などをお聞かせいただき、お客様にとってよりよい加工方法を用いて製品をご提供できればと考えております。
小さなことでも、ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください。お待ちしております。