さまざまな工業製品をつくるプレス加工に必須の要素が「金型」ですが、金型を使用すると製品を大量生産できます。
プレス加工と聞くと「プレス機械が金属板をトンガンガン、ガンガンガン、カンカンカンと、ずっと打ち抜いている」と、なんとなく単調でシンプルな加工法というイメージがある方も多いのではないでしょうか。
昔はそれほど精度が求められなかったプレス加工ですが、現在ではスマートフォンなどの部品にもプレス加工部品が使われるようになり、その加工精度もミクロン単位のもの求められるようになっています。
今回は、このミクロン単位の精度が求められる「精密プレス加工とはなにか」「精密プレス用の金型にはどのような種類があるのか」について紹介します。
精密プレス加工とは
プレス加工のなかでも金型の材料や製造方法において「難易度の高いプレス加工」を精密プレス加工と呼んでおり「ここからが精密プレス加工製品」など厳密な規格があるわけではありません。
「抜き加工」も精密プレス加工に該当し、金型を使用し工材を挟んで製品を加工しますがジャンルで言えば「抜き加工」は「せん断加工」の一つです。
クッキーの型抜きと同じ原理で、工材から丸や四角など必要な形状を型取りして加工しますが、複雑な製品場合その複雑さに応じて多くの型抜きが必要となります。
精密プレス加工では、シート状(板状)の製品ならば比較的どんな形状の製品でも生産できますが、主にパソコンやカメラなどで使うシート状の備品や自動車などの部品・インテリア関係の部品に使われることが多くあります。
またシートやシール状の製品加工にも適任です。反射板や固定テープ電磁波シールド材などの特殊な機能材の加工も可能なためさまざまな分野の製品を作ることができます。
精密プレスの特徴
精密部品などの金型にはマイクロメートル単位の正確さが求められますが、精密プレス加工ではその製造難易度が高い分より精密な製品が出来上がります。
ただプレス加工と同じくオスとメス(凸と凹)2つの金型の形を素材である金属板にその形を映すことは同じで、その部品に求められる精度が高いという点だけが異なるところです。
その使われる金型も、プレス加工同様製品を大量に生産するための重要な要素の一つであることには変わりなく、素材となる金属板に圧力をかけるプレス機械に取り付けて使われます。
小さな部品であれば、数秒のうちに製品が製造できます。たった1分間で数百回(数百個)もの加工ができます。
金型に使われる素材やその加工方法について
金型は作られる部品の原型であり、その製品の良し悪しを左右するため金型製作には豊富な制作ノウハウや知識と高い技術力が必要になります。
プレスする度に大きな圧力と衝撃がかかる金型の素材には、粘り強さのある「合金工具鋼」や、耐摩耗性や耐熱性に優れている「高速度工具鋼」などの工具鋼が使われます。
金型に使われる工具鋼の材質は切削しにくい「難削材」のため切削工具で金型を削りますが、より精度の高い金型加工には「型彫り放電加工」などが使われています。
型彫り放電加工とは、あらかじめ型が彫られた電極を使った放電加工のことで、放電加工は電気エネルギーを熱に変え、火花放電エネルギーにより金属を溶かす「除去加工」の一つです。
電気を通す金属であれば加工できるため難削材を用いた微細加工にも活用できます。
金型の種類
精密プレス用の金型にはどのような種類があるのか、金型の種類について紹介します。
プレス金型
「抜き型」「曲げ型」「絞り型」「圧縮型」などに分類される金型のことです。一度のプレスで一つの加工を行います。プレス金型では「抜き」「曲げ」「穴あけ」などが可能です。
ダイカスト金型
鋳造型の一つでアルミ合金や亜鉛合金などの溶けた金属を注入して成形する金型です。自動車部品や家電、精密機械など、さまざまな分野で用いられています。
粉末成形型
金属やセラミックスなどの粉末を注入して成形する金型です。圧縮して押し固め高温で焼結することで、高精度な製品を大量生産できます。
鍛造用金型
材料の一部や全体を圧縮して成形する金型です。精度が高く複雑な形状を成形できるため小型製品を大量生産できます。
ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください
川田製作所では、3,000種以上の加工経験を活かし、試作から量産まで幅広い対応を得意としたプレス加工メーカーです。
お客様が欲しい部品の形状・数量・ご予算・納期などをお聞かせいただき、お客様にとってよりよい加工方法を用いて製品をご提供できればと考えております。
小さなことでも、ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください。お待ちしております。