日常的に使われる鍋や自動車部品、電子機器など、身近な製品や部品の加工に使われている加工方法がプレス加工です。
プレス加工はいくつか複数の種類やジャンルがありますがそのうち精密プレス加工と呼ばれるものがあります。そんな「精密プレス加工」とは通常のプレス加工と、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、通常のプレス加工と精密プレスの違いや精密プレス加工の特徴、メリットなどをご紹介します。
精密プレス加工とは?
結論から言うと、精密プレス加工と通常のプレス加工のあいだに規格などによる明確な違いはありません。
一般的に精密プレス加工とは、1ミクロン単位の調整が必要な金型で作る精度が要求される加工技術を呼びます。つまりプレス加工のうち、より精密なプレス加工が必要なものについて「精密プレス加工」と表現します。
ただ精密なプレス加工を行う場合、一般的なプレス加工に比べ材料や製造工程などが異なってくるケースもよくあります。
通常のプレス加工の金型はSKDなどの鋼材で作られますが、一方精密プレス加工では加工難易度の高い製品をつくるため、より硬度の高い鋼材を選定するケースもあります。
特殊な材料を用いることで加工性が向上し加工難易度の高い製品を作れるようになります。
また精密プレス加工は通常のプレス加工と比べると金型の素材だけではなく設計方法やシミュレーションなどもさらに考慮することが求められます。
プレス加工では2D・3DのCADソフトを使って金型を設計しますが、加工精度を高めるためにCADソフトだけではなく、CAE解析というコンピューター上で擬似的に製品を製作するソフトも活用されることが多くあります。
このように精密プレス加工は多くの場合、加工難易度の高い製品をつくるために、より細かな材料の選定や設計方法を吟味していきます。
精密プレスの金型
精密プレス加工は前述の通り、加工難易度の高い製品を作れます。しかしその分、金型も精度の高いものを作らなければなりません。
よって精密プレス加工の金型には、通常のプレス金型で使う鋼材に比べ、より硬度の高いものを選定することが多くあります。
材料は耐食性や耐熱性、耐久性、耐摩耗性の向上、ショット数、熱伝導性、コストなどから被加工物に最も適した材料を選びます。
また金型を作る際には、2Dまたは3DのCADソフトのほか、CAE解析ソフトを使用することもあります。
精密プレス加工の精度はどのくらい?
加工方法を「精密プレス加工」レベルまで精度を高めることで通常のプレス加工に比べ、おのずと高い精度の製品を作れます。使用される金型は、特殊な材料を用いるだけでなく金型を作る方法も異なることがあります。
精密プレス加工の金型の作る際はマシニングセンターや放電加工、ワイヤー放電、さらに仕上げで行う研磨加工などを用います。
このように金型の材質や作り方により、精密プレス加工で精度の高い製品を作れるのです。
インコネル(各種耐熱合金)の プレス加工
プレス加工は「インコネル」という耐熱合金を活用する方法もあります。
「インコネル」とはニッケル基の超合金の商標で、ニッケルをベースにした合金です。高音強度で耐熱性に優れており、自動車のマフラーなどの身近なものからスペースシャトルや原子力産業の部品などを製造できます。
近年、耐熱性や高音特性に優れた超合金の開発が盛んです。しかし耐熱合金を用いたプレス加工は、難削性が高く熟練の技が求められます。そのため耐熱合金を活用するプレス加工に対応している企業は少ないことが現状です。
プレス加工の製品例
金属の板以外もプレス加工ができるため、シート状であれば基本的にどのような形状でも加工できるでしょう。特にパソコンやカメラにあるシート状の部品や自動車の部品などを多く製造しています。
その他、インテリア関係のシート状やシール状の部品、反射板、建材、固定テープ、電磁波シールド材も加工できます。
ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください
川田製作所では、3,000種以上の加工経験を活かし、試作から量産まで幅広い対応を得意としたプレス加工メーカーです。
お客様が欲しい部品の形状・数量・ご予算・納期などをお聞かせいただき、お客様にとってよりよい加工方法を用いて製品をご提供できればと考えております。
小さなことでも、ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください。お待ちしております。