金属プレス加工とは?金属プレス加工の基礎知識とメリット、デメリットをご紹介

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「金属プレス加工」とは、プレス加工のうち「金属を変形・加工する」ことを指し、金型という「型」を使って素材となる金属板を変形させたり打ち抜きなどを行います。

この方法は一度に大量生産ができコストを安く抑えられるため自動車や家電、スマホなどの部品に必ず使われている加工方法です。

この記事ではプレス加工の基礎を踏まえた上で「金属プレス加工」のメリット、デメリットを分かりやすく解説します。

プレス加工の歴史

プレス加工の始まりは200年以上前の1795年イギリスで、当初は水圧でプレスする機器が用いられたのが始まりと言われています。

その後、プレス加工は年月をかけ改良され続け、様々な加工方法が開発されることにより幅広い種類の加工製品が作られるようになりました。

戦後の1955年頃以降アメリカで自動車技術が急速に発展、それまで製造されていた数に比べケタ違いに製造され始めたのをきっかけに、大量生産が得意なプレス加工による部品生産が一気に広まりました。

現在でもプレス機械や、被加工物、金型それぞれに用いる材料の種類、加工方法などが日々進化し続けています。

プレス加工のメリットとデメリット

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「プレス加工のメリットは大量生産できること」と前章でお伝えしましたが、理論だけでいえば金型があれば金型とプレス機械が破損しない限り部品を製造し続けらるので、同じ部品であれば作れば作るほどコストは低くなっていきます。

また、ほとんどの作業をプレス機械に任せられます。これはつまり加工工程の中で人力に頼ったり、人の手で何かするようないわゆる職人技のような行程がないので、高精度な部品を安定的に生産できるというメリットもあります。

このようにプレス加工はいい事ばかりのように見えますが、低コストで大量生産ができるメリットの一方で初期費用が高いというデメリットもあります。

プレス機械の導入費用はプレス加工メーカーが持ちますが厳密にいえば、その導入コストも製造費に含まれています。

また発注者側が初期導入費として意識するものとしては金型があり、一般的な金型の費用相場は数十万円から数百万円が相場です。

この金型も精度の高いものにこだわれば、その分初期費用が高くなってしまったり、金型自体は金属製のため正しい保管方法を把握していないと破損が早くなり、こちらも部品単価に響いてくる要素です。

低コストで大量生産ができる一方で、初期費用が大きめということを発注側は認識しておいたほうが良いかもしれません。

金属プレス加工の種類

金属の加工方法の一つである「プレス加工」ですが、これはざっくり一言でいうなら「金属の板を金型に挟み専用のプレス機械で変形させる」という加工方法です。

プレス加工でも代表的な加工として先程述べた「せん断加工」「曲げ加工」「絞り加工」が挙げられます。これは以下のように目的により適切な加工方法を選びます。

せん断加工

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パンチ(雄型)とダイ(雌型)という2種類の金型を用いる加工方法です。被加工物を切断、分離したり、打ち抜くことで主に自動車や精密機器の部品を製造します。

曲げ加工

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金型を使い被加工物(部品の元となる金属板)を、L字やV字などさまざまな形状に曲げて加工する方法です。この加工方法は自動車のボディなどを製造します。

絞り加工

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被加工物をパンチ(雄型)とダイ(雌型)という2種類の金型で挟み圧縮力や引張力を活用し金型に沿った形へ加工、電池ケースなど継ぎ目があると液漏れが心配な部品に採用されるケースが多くあります。

プレス加工で作る自動車部品

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一概にプレス加工といっても前述のような様々な加工方法があるので幅広い加工製品が作れます。

スマホなどの電子機器の部品などの身近なものから、スペースシャトルの部品まで金型やプレス加工の方法で幅広い製品が日々作られています。

その中で最も代表的なのが自動車部品。例えば自動車のドアや天井などのようなプレス加工は、一枚の大きな金属の板を必要な長さにカットし専用のプレス機械でプレスします。

このように様々な形状に曲げる、折る、打ち抜くなどの加工を駆使し、少し極端な言い方をすると自動車部品の非常に多くの部品がプレス加工で作られているといっても過言ではありません。

このように自動車を製造する上でプレス加工は欠かせない技術の一つなのです。

プレス加工でよく使われる用語集

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プレス加工は、プレス加工だけ専門に行っている「プレス加工メーカー」も存在するぐらい専門特化した製造方法のため、使われる用語も専門的なものが多くあります。ここからはプレス加工でよく使われる用語をご紹介します。

金型

「金型」は被加工物を挟む金属の塊です。この金型で被加工物(金属板)をプレスすることで金型に沿った形が成形され必要であれば型を抜きます。金型の精度が高ければ高いほど、製品も精度が高くなります。プレス加工には欠かせない重要な部品です。

ワーク

被加工物のことを指します。自動車のドアをプレス加工する場合「ドア」のことを「ワーク」といいます。

ショット

プレス機械1ストロークで行う仕事です。

単発型

ひとつの加工工程のみを行う型です。

抜き

せん断作業の名称。パンチングと呼ぶこともあります。

破断

加工中に材料が割れ、被加工物が2つ以上に分離してしまうことを言います。

ミスパンチ

機械の不良により正常な作業が行えない現象を指します。

プレス加工に欠かせない金型の種類

金型とは、被加工物の塑性・変形・流動性を利用して成形することに必要な金属性の型を指しますが、プレス金型には単発型・順送型・トランスファー型の3種類があります。

それぞれで特徴や適性が異なるため、特徴を知り、適したタイプの金型を発注側は選びましょう。

単発型

一つの金型で、一つの加工を行えるタイプの金型です。最もシンプルなため、金型の製作費や製品のコストを低く抑えられます。単発型は、少ないロットやサイズの大きいものを生産したい場合に適しています。

順送型

複数の加工工程を行えるタイプの金型です。「プログレ型」と呼ばれることも。順送型は生産効率が良く大量生産に適しています。一方で、金型の作りが複雑なため、難易度が高く、金型の製造費が高くなります。

トランスファー型

単発型が複数並んだタイプ。自動的に複数の工程が行えるため、効率よく大量生産ができます。しかし、搬送機構の設計が難しいため、金型の製作費が高くなりやすい金型でもあります。

ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください

川田製作所では、3,000種以上の加工経験を活かし、試作から量産まで幅広い対応を得意としたプレス加工メーカーです。

お客様が欲しい部品の形状・数量・ご予算・納期などをお聞かせいただき、お客様にとってよりよい加工方法を用いて製品をご提供できればと考えております。

小さなことでも、ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください。お待ちしております。

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